好きを仕事につなげたひと

写真家ヨシダナギさんとアフリカの“絶妙な距離感”恋愛

SPECIAL 2017.8.16

「好き!」の熱量には説得力があり、「好き!」の裏側には、その人なりのストーリーがあります。そんな”好き”を仕事にしている人々をインタビューしていくシリーズ“好きを仕事につなげたひと”。今回ご登場いただいたのは、フォトグラファーのヨシダナギさん。アフリカを愛するヨシダナギさの、“アフリカホリック・ストーリー”です。

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「いつ私の肌の色は変わるの?」10歳の頃、本気で母に尋ねた

「ここ9年間ずっと黒しかきていない」というヨシダナギさん

アフリカや、各国の少数民族の魅力を伝えるフォトグラファーとして、その美しい写真が脚光をあびているヨシダナギさん。

「ここ9年間ずっと黒しか着ていない」(アフリカ人たちには「暑くない?」とツっこまれるらしい)というシックな出で立ちで取材場所に現れたヨシダさんは、アフリカを中心に旅しながら撮影を続け、まさに“好き”を仕事にしているひとというイメージ。

でも、実は「寝ても冷めてもアフリカ大好き!」というわけではなかったり、フォトグラファーという肩書きにはまったく執着がなかったり、アフリカに旅立つ前は“楽しみ”というより“憂鬱”だったり(!)と、素顔は意外な一面ばかり。

「すごい極端な性格で、何事もゼロか100なんです」。ちょっと外に出るだけなのは嫌、出るならいっそ遠くアフリカまでーー。そんなひと筋縄ではいかない“アフリカホリック”のヨシダナギさんに、好きを仕事につなげる方法を伺いました。

5歳のときにテレビで見た マサイ族が、今も私のヒーロー

ヨシダナギさんのヒーロー、マサイ族

ヨシダナギさんとアフリカとの出会いは、5歳のとき。テレビでマサイ族を見て、その原色の民族衣装を着こなすきれいな黒い肌に「なんてカッコイイんだろう!」と思い、「将来この人たちと同じ格好をして、一緒にとび跳ねて暮らす」と心に誓ったそう。

けれど、10歳の頃に「いつ私の肌の色は変わるの?」と母に尋ね、アフリカ人になる夢は玉砕。そこから、「“せめて憧れの彼らに会いにいきたい”という思いに変わっていった」(著書『ヨシダ、裸でアフリカをゆく』より)。

——アフリカに惹かれる理由はなんですか?
少数民族の“佇まい”です。身にまとっている雰囲気というか……。もちろん衣裳もカッコいいんですけど、あの原色を着こなせるのは単純にすごいなって思います。なおかつ、裸に近い姿なのに全然イヤらしくない。なんであんなにも勇ましくかっこいんだろう、って。

——ヨシダさんがそこまで惹かれる“アフリカ人”というのは、一言で言うとどういう人たちなんですか?
根っからの愛すべきお調子もんですね(笑)。見た目は“ヒーロー”ですけど。

実は「寝ても冷めてもアフリカ大好き!」ということではないんです。私の場合、基本的に好きになったものって一点集中型で詰めてしまって、結果冷めてしまう。

スリ族の集合写真

ヨシダナギさんの写真集の表紙にもなったスリ族の集合写真。「『もう少し前に』とか、言ってわからない子は『はいここ』って自分が目の前で実際にやるとか、細かく指示します」。イメージは最初から頭の中にあるのだそう。

「でも、アフリカは行くのにはお金がとてもかかるし、距離も遠いので、そんなに距離が詰められないんですね。アフリカ行くときもすごい『行きたい!』って感じではないんです。1週間前とか、憂鬱でしょうがない(笑)。

楽しみになるのは『行こうかな』って計画し出したその瞬間だけです。航空券買ってちょっとすると憂鬱になる。でも、飛行機に乗ると楽しみになって、現地に到着する頃には割り切って、とりあえず頑張ろう、楽しんでこようみたいな。

現地に行ったら行ったでお調子者のアフリカ人に苛立ち、日本に帰ってくるまでの時間で、その苛立ちを徐々に鎮火していって、で、苛立った理由を忘れてまたアフリカに行ってまた苛立って。

そんな感じで適度な距離があるから、熱しすぎず、冷めすぎず、好きでいられるのかなあと。

性格上引きずらないんですよね。私、アフリカで変な人に会う“ヒキ”がものすごい強いんですけど、嫌だったことも自分の中で消化しちゃうので、具体的にどんなふうに辛かったか忘れちゃうんです、昔っから。そこはアフリカ人と似ているかもしれません(笑)」

アフリカ人とは、必ず打ち解けられる自信があるんです

世界一美しい裸族と言われる“ヒンバ族”

世界一美しい裸族と言われる“ヒンバ族”。「ナミビアのデッドフレイ(死んだ沼)という場所で、テレビのロケで行きました。2〜3日かけて、被写体の女の子たちと1000kmくらい車で移動して撮影しました」。ヨシダナギさんと現地の人々との関係性がうかがえる一枚。

ーーフォトグラファーになるまでは、イラストレーターの仕事をされていたんですよね?
はい、今もイラストを描くことは好きだし、イラストレーターとしての経験が写真の構図にも生かされていると思います。

ヨシダナギさんが描いたイラスト
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HOLICS編集部

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