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スペシャルインタビュー

蒼井優さんの「好きになったらとことん」偏愛趣味ヒストリー

SPECIAL 2017.6.28

“なにかを偏愛する人の話は面白い”。そんなHOLICSのコンセプトを体現する蒼井優さんが登場! 宝塚から骨董、純文学、そしてアイドルからししゅうまで、一度ハマったらその趣味を深く掘り下げずにはいられない偏愛体質・蒼井優さんの、華麗なる趣味の歴史とは? そして、“1日36時間女子“ってどういうこと? “好き”の熱量がぎっしり詰まったスペシャルインタビューをお届けします。

偏愛者・蒼井優さんは、一体どんな趣味にハマってきたの?

自他ともに認める”偏愛体質”蒼井優さん。女優として幅広く活躍する一方で、「やりたいことがありすぎて」と語る趣味人。一度ハマるとその期間は長く、平行して続けていく趣味がどんどん増えるから「もう時間が足りなくて」と楽しそうに語る姿に、感動すら覚えるほど。そんな蒼井優さんの好きな趣味に対する”愛ある言葉”の数々を、ぜひ!

偏愛とか好きで繋がる関係は、ずーっと楽しくて平和

趣味をとことん楽しむために、1日を36時間と考える

——蒼井さんは、かなりの趣味人であり、偏愛者だとよく聞きます。

蒼井 たしかに、何かにハマるとかなりどっぷりですし、愛は偏っていると思います(笑)。

——忙しいときも、たくさんの趣味を楽しむために「1日を36時間で考えている」と、マネージャーさんからうかがいました。

蒼井 そうなんです、そんなに忙しいという意識はないですが、撮影がある時期は、朝に1日が始まって夜に終わるから、24時間周期の生活をします。撮影が終わってしばらく空いた期間は、時間にとらわれずに生活しています。たとえば、今日、なにかの趣味を夢中でやっていて深夜に寝たら、明日の朝に起きますよね。そこから、再び趣味に取り組むと時を忘れてしまうから、次に眠くなるのは明後日の朝あたり。また数時間眠ったら、そこからまた24時間以上は趣味に夢中になって、次に眠るのは3日後の夜あたり。だから……だいたい1日36時間のリズムです。

——3日に2回しか眠らない……すごい気力と体力ですね。

蒼井 ものすごく集中しているから、あっというまに時間が過ぎちゃうんですよ。アドレナリンが出続けているのか、止まらなくなります。

——お肌のために夜は寝ようとは?

蒼井 まったく思わないです(笑)。眠らなきゃという義務感で眠るのが苦手みたいで、好きな趣味に没頭して、へとへとになって気を失う寸前に眠るのが理想です。撮影期間は、さすがに36時間リズムでは生活できないけど。仕事で深夜に疲れ切って帰ってきても、少し趣味に触れたい。お花ひとつぶんのししゅうをしたり、宝塚や『アンジュルム』のDVD をしばし観てから、眠ります。偏愛しているものに触れて1日が終わったら、どんな日もとても幸せに感じられるから。偏愛のある毎日は、オススメです。

偏愛がきっかけで、新しい”趣味友”が増えていく

——偏愛のある毎日、って、どんな感じでしょうか。

蒼井 例えば私が今いちばんハマっている趣味が、手芸なんですね。編み物からししゅう、洋服のリメイクまで、毎日、毎日、なにかしら縫い物をしていて。「一生のあいだに手芸の技術をすべて学びたい!」くらいに一途に手芸しているんですけど(笑)。本格的なミシンが欲しくなって、でも、どんなものがいいのかわからなくて悩んでいたんです。そんなとき舞台を観に行ったら、偶然にも篠原ともえさんが隣に座っていらしたんです!

——篠原さんといえば、手芸のプロだと聞きます。 松任谷由実さんの衣装もデザイン・製作するほどですよね。

蒼井 そう。 私もそれを知っていたので、ほぼ初対面にもかかわらず、篠原さんにミシンや手芸のことについて聞きたくて、聞きたくて。舞台が開演する直前に、思わず話しかけたんです。「いいミシンって何ですか?」って。

——いきなりですか?(笑)

蒼井 篠原さんも「今ですか?」って驚いてました(笑)。自分でもびっくりです。私はもともと自分から初めての人に話しかけたりできないほう。仕事の現場では頑張るんですけど、プライベートでは受身になりがちなので。それでも照れより、「聞きたい」という気持ちが勝って勇気を出して。篠原さんは、すごく面倒見のいい方で、「教えるだけでなく、一緒にミシンを買いに行くよ」と言ってくださった。そこで交流が生まれて、先日は私の家に篠原さんと篠原さんの手芸友達が遊びに来てくれました。みんなで何を話すでもなく、黙々と縫い物をしていた(笑)。

——蒼井さんの周囲にはそんな偏愛者な方々が多いのでしょうか?

蒼井 はい。偏愛で結ばれ、人間関係が広がることもあります。数年前から骨董の器にハマってしまったのは、当時、舞台『その妹』で共演した市川猿之助さんの影響が大きいですし。今、『アンジュルム』っていうハロプロのアイドルグループに夢中なんですけど(笑)。それは、友人のアッコちゃん……女優の菊池亜希子さんがディープなハロプロファンで、教えてもらったのがきっかけでしたし。

本気で好きになると、どこまでもその趣味を突き詰める性分

——そんな蒼井さんは、どんな趣味の歴史を重ねてこられたんでしょうか。

蒼井 いちばん最初に、「コレはハマったな」と自覚したのが宝塚です。高校3年生の時から数年間は、かなり劇場にも通いつめていました。

——宝塚にハマったきっかけは何でしょう?

蒼井 朝海ひかるさんです!  当時、雪組のトップでいらしたんですけど、母がまず朝海さんのファンで、ファンクラブに入っているほどだったんですね。初めて朝海さんの舞台を観劇したときに、「なんて美しい方がいるのだろう!」と。朝海さんと娘役の舞風りらさんとのコンビネーションもまるで夢みたいに完璧だったんです。その後、母に“朝海さんを囲むお茶会”というファンクラブイベントにも連れて行ってもらって、実物の端麗さや人柄の素晴らしさにもまた胸がときめきました。当時は、雪組の公演だったら、同じ演目を何度でも観たいほど好きだったし。その後、雑誌の対談でもお目にかかりましたが、今も変わらず、観るたびにときめきで胸がいっぱいになります。

——すごい愛ですね!

蒼井 はい。ある年の大晦日なんて、新年明けてすぐに雪組のDVDを再生したくらいですよ。新年の最初の自分の視界を朝海さんで埋め尽くしたくて(笑)。

——想像以上の偏愛ぶりで驚いています(笑)。

蒼井 本気で好きになると、どこまでも突き詰める性分ですね。その次は、かき氷にハマったんですけど、全国津々浦々、海外までも美味しいかき氷を求めて歩きました。あげくに、家でも美味しいかき氷が食べたくて、お店用のかき氷器を購入もして。老舗のかき氷店に置いてあるような、機械に油をさして使う巨大な機械です。

——食べるだけでなく、作るほうにまで興味がわいたと。

蒼井 はい。かき氷の次にチーズケーキにハマったときも、最初は、お店を探すことに夢中になっていたけど。そのうち、買いにいくより、自分で作ったほうが早いかもと思い始めて。それから、何十個チーズケーキを作っただろう?(笑)完璧に自分好みのチーズケーキレシピを完成させたくて、時間があるときは1日に2ホールくらい試作しました。どのチーズを何百グラム使って、焼き時間は何分なのか、オーブンの上の段で焼くか下の段で焼くのか……とか、毎回、全部メモして。

——趣味の枠を超えて、もはや研究ですね。

蒼井 完全にただの研究です(笑)。チーズケーキに関しては連載できるくらいのデータと想いがあります。

——その研究はどれくらい続いたんですか?

蒼井 半年間くらいですかね。

——そのゴールはどこにあったんですか? 

蒼井 自分なりにベストだと思うレシピができたら一応のゴールです。でもゴールしても、飽きるわけじゃないんですよ。ずっと好きは好き。他の趣味もそうですけど、1度、ハマったことに関しては、自分の中で知識や経験のベースができるまでは集中して、研究し終わったらマイペースで楽しむようになる。そのうち、新しい偏愛の対象が増えるので、今度は、そっちを集中して研究し始める(笑)。

好きなものを豊かな言葉で語れる人は魅力的

——いつも何かを偏愛していて、対象は、年々、増えていくんですね。

蒼井 そうです。このサイクルで生きていて思うのは、偏愛と呼べるほど、何かをディープに好きになって突き詰めて自分の中にベースを作っておくことは楽しいし、すごくオススメだということです。

——と言うと?

蒼井 まず、何かを偏愛していると、その後の人生、それに関わりのある人に出会ったときに、延々、楽しく喋れるという利点があるんです。しかも、同じものにハマっている人は、同志的な意識を持つからか、何かと優しくしてくださる(笑)。これが広く浅くちょっと好きなものだと、本気では語り合えないし、心の交流も生まれづらいですよね。

——偏愛は人間関係を豊かにするんですね。

蒼井 経験上、そう実感しています。もちろん、それは偏愛の目的ではなくて、副産物ですけど(笑)。高校生のとき、朝海ひかるさんのお茶会で同じテーブルになった宝塚ファンの方々は、いまだに連絡を取りあっている友人ですし。会うたびに朝海さんや宝塚の話ばっかりしていますけど、ものすごく楽しい。趣味で結ばれた偏愛友達といると、平和なんです。「ここが大好き!」「素敵!」とかポジティヴな話ばかりしているから、常にいい空気が流れているし、相手のいいい面ばかりが見えます。好きなものを豊かな言葉で語れる人は魅力的ですもん。

——たしかに、素敵ですね。

蒼井 好きなものを持つってエネルギーがいることだと思うんです。好きより嫌いになるほうがラク。何かを批判したり、誰かに悪意を持つことの方がエネルギーを使わずに済むと聞いたことがあって。今は、SNSもあって、批判する人の声の方が大きく感じられるけど、そこで自己主張しても楽しくないし、負の感情で人とつながってももろいですよね。一方で、偏愛とか好きでつながる関係は、ずーっと楽しくて平和。だから、エネルギーを消費してでも、すごく好きなものをたくさん持てたらいいなと。

語りだしたら止まらない!蒼井優さんの偏愛趣味ヒストリー

一度好きになったら、その対象をずっと掘りさげてとことんハマる。そして、”ハマりもの”がどんどん増えていく。広く浅くではなく、広く深く、そして長くーー。そんな偏愛者・蒼井優さんが、今までにハマった趣味の歴史(そして現在もマイペースで偏愛中)を、ご紹介します。

1 『宝塚』は高校3年生でハマって以来、今も偏愛中!

高校時代、母親とともに観劇に行って以来、宝塚ファンです。きっかけは、当時の雪組トップだった朝海ひかるさんに恋をしたこと(笑)。今も変わらず大好きです。

2 1日2ホール作った時期もある『チーズケーキ』

お店で美味しいチーズケーキを食べて感激したのがきっかけでハマりました。時間があれば、1日2ホールも試作。毎回、材料や焼き時間のメモをとる私は、完全にチーズケーキ研究家でした。

3 寝る前に『谷川俊太郎さん』の詩を1編読むのが幸せ

『あたしとあなた』谷川俊太郎著 ナナロク社 ¥2160

いちばん長い趣味が、子供の頃から続いている読書です。最近は、大好きな谷川俊太郎さんの詩集を読み返したくなって、枕元に数冊並べて置いてみることに。毎晩、眠る前に、1冊を手にとってパッと開いたページの詩を一編だけ読んで寝るのが幸せです。

4 たまたま今この時代は私が預かっている『うつわ』集め

舞台『その妹』で共演した市川猿之助さんの影響で骨董の美しさに惹かれ、京都に通いつめ、思い切って本物を手に入れたことも。器は後世に受け継ぐものだと思うし、今、この時代に私が預かっているものだと思っているので、大切に愛でたいです。

5 昭和初期に生きていたら、『谷崎潤一郎』とつき合いたい!

『卍』谷崎潤一郎著 新潮文庫 ¥579

いろんな本を読みますが、近代文学がとくに好きです。中でも私にとって特別な存在なのが、谷崎潤一郎。谷崎の変態的なユーモアのセンスがとても好きなんです。あえて一冊あげるなら、やはり『卍』かな。何度読んでも声をあげてゲラゲラ笑ってしまいます(笑)。

6 土の配合までこだわる“ベランダー”だったときも

植物を育てることが好きです。この植物には、どんな土がいいのか、腐葉土と赤土の割合などを書き出し、年単位で春夏秋冬の変化も観察して。そのうち、ベランダだけじゃスペースが足りなくなって、「マンションお近くの空き地に庭を持ちたい」と真剣に検討したこともあります。

7 女子アイドルはときめきの素。『アンジュルム』を箱推ししてる

もともと、女の子のアイドルグループは好きですけど、人生で初めてどハマりしたのが『アンジュルム』。そういうと、「メンバーの誰が好きなの?」ってよく聞かれますけど、本当に全員が好き。1人1人の個性と、全員のバランスが好きな、いわゆる“箱推し”です(笑)。

8 一生のあいだに、すべての『ししゅう』の技術を経験したい

今、最も心と体力と時間を費やしているのが手芸です。編み物もししゅうも手芸関連は何でも夢中。普通のミシンもロックミシンも買ったし、先日は手芸教室にも行ってきました。

9 『演じる仕事』も、偏愛しているもののひとつかも

 演じる仕事は、自分の都合だけで没頭できる趣味とは違うけれど、やはり楽しんでいるし、偏愛しているものであることには変わりありません。昨年までは舞台のお仕事を増やしていたけれど、今年はあらためて映像で演じることを学びたいなと言う気持ちです。

東京喰種 トーキョーグール

映画『東京喰種』はいち観客として観ても想像を超えて、とても面白い作品でした。私は、主演の窪田さんを人間から人肉を食らう怪人「喰種(グール)」に変身させてしまう、リゼと言う役です。本作は喰種の戦いを見せるCG技術も素晴らしいけれど、技術は物語の補助でしかなくて。映画の核は、あくまで原作の根底に流れる人間ドラマであることに、感動しました。原作ファンの方はもちろん、この類の映画になじみがない人ほど観て欲しいです。

Ⓒ2017「東京喰種」製作委員会 Ⓒ石田スイ/集英社 7月28日(土)全国公開

7月スタートのドラマ『ハロー張りネズミ』では、5人の子持ちの霊媒師という癖のある役柄を演じています(笑)。久々に大根仁監督とのお仕事ですが、どんな作品になるのか、いい意味で、予測不能。でも、素晴らしいキャストとスタッフとご一緒できているので、きっと面白いものになるはずです。

蒼井優(あおい・ゆう) 女優

1985年8月17日生まれ。14歳のときにミュージカル『アニー』でデビュー。以降、女優として映画、舞台、ドラマ、CMなど幅広く活躍中。2017年7月からはTBS系ドラマ『ハロー張りネズミ』(毎週金曜22時〜)に出演中。また、7月29日から出演作である映画『東京喰種 トーキョーグール』、10月28日から『彼女がその名を知らない鳥たち』が公開予定。

ジャンプスーツ¥20000/ウォーブン(ユニット&ゲスト) リング¥38000、ピンキーリング ¥20000ともに(トーカティブ)  ●お問い合わせ先 ユニット&ゲスト TEL:03-3710-3107 トーカティブ TEL:06-6416-0559
 

 撮影/木寺紀雄 スタイリング/森上摂子(shirayamaoffice) ヘア&メイク/草場妙子 取材・文/芳麗

HOLICS編集部

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