教えてアドラー♡恋のお悩み “本命彼女になれない”を変える勇気

LOVE 2018.8.28

ベストセラー『嫌われる勇気』の著者・岸見一郎先生が、アドラー心理学にもとづいて恋愛論を綴った『愛とためらいの哲学』をもとに、恋のお悩みに回答するこのシリーズ。今回は、「本命彼女になれない」というお悩みをピックアップ。果たしてアドラーはどんな答えを授けてくれたのでしょう?

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Q.なかなか本命彼女になれないんです……。

出典: gettyimages

合コンで出会ったエリート金融マンの彼とHをしたところ、「実は婚約している」と告白されました。結婚式の日ももう決まっているそう。前の恋愛も、派遣先の大手食品会社の上司と不倫でした。「離婚するから」と言われズルズル続けたものの、結局彼にフラれて破局しました。高学歴でもなくお嬢様でもない私は、なかなか本命彼女にしてもらえません。どうしたら“高い女”になれるのでしょうか?(28歳・営業)

アドラーの言葉:「自分に価値があると思える時にだけ勇気を持てる」

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「このアドラーの言葉が指す勇気とは、対人関係に入っていく勇気です。また“自分に価値がある”というのは、自信があるということ。つまり、自信がある人は対人関係に入っていく勇気があるのです。でも多くの人は逆で、対人関係に入って傷つくのが嫌で、『自分には価値がない』と思っているのです。この相談者も、きちんとした恋愛関係に入りたくなくて、学歴や家柄を言い訳にして、本命彼女にならない恋愛を選んでいるのではないでしょうか。つまり、自信を持たないほうが都合がいいということ。でも、これまでも何度もお伝えしてきましたが、幸福は対人関係の中でしか得られないもの。幸福になるためには自信を持たなければいけないのです」(哲学者 岸見一郎先生)

では一体どうすれば自信が持てるのでしょう? それは、“あるがままのこの私がいい”と思えるようになることだと岸見先生は言います。

「もちろん簡単なことではないでしょう。というのも多くの人は、小さいときから『特別であれ』と教え込まれてきていますから。親は、子どもが幼いうちは、とくに何もしなくても『そこにいるだけで幸福を与えてくれる』と思えます。誰しもずっとそういう状態で生きられたら幸せになれるのですが、親もいつの頃からか欲が出てきます。よい学校に入れたい、よい会社に入らせたい、と子どもを“特別良く”ならせようとする。すると子供はその期待にこたえようとして、次第に『ありのままの自分であってはいけない』と思うようになるのです。そして今に至る……」(哲学者 岸見一郎先生)

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子どもの頃の環境が背景にあるとなると、今になって自信を持つことは、とても難しいのでは……?

「たしかに大人になると“ありのままの自分”ではいられなくなっているので、簡単ではないでしょう。でも自信を持つには、“子どものときの自分”を取り戻すしかありません。自分が存在するだけでまわりが喜んでくれた、あのときの自分が今もいる、そう思わないといけないのです。かつては、何もしなくてもまわりに貢献できていたのです。今も、本当はそういう自分なのです。そのことに気づきましょう」(哲学者 岸見一郎先生)

ということは、自分だけではなく彼も「存在するだけで貢献できている」と思えれば、「特別にならなくてもいい」と、女性を見た目や家柄で選ばなくなるかも? では相手に貢献感を覚えてもらうためにはどうしたらいいのでしょう? 彼を褒めればいいのでしょうか?

「褒めるのは良くないのですよ。『偉いね』『すごいね』と言われると、人は“褒められるような特別な自分ではなくていけない”と思うようになってしまいますから。ここで皆さんにお聞きしたいことがあります。自分に子どもがいたとして、どうしても預ける先が見つからず会社に連れて行かなければならなくなったとします。その子どもは、アナタが働いている間、静かにして待つことができました。さて、そのときアナタは子どもに何と声をかけますか? 多くの人は『偉かったね』と褒めるのではないでしょうか。でもそれは、『子どもが静かになんかできるわけがない』と思っているから。つまり、その時点で親と子どもの関係は対等ではないということ。だから子どもは、親に認められよう、価値がある自分になろう、と思うようになってしまうのです」(哲学者 岸見一郎先生)

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では一体、どんな言葉をかければいいのでしょう? 意外にもそれは「ありがとう」という感謝の言葉なのだそう。

「感謝されると子どもは、『自分が役に立てた』と貢献感を持てるのです。そうして“自分に価値がある”と思えれば、対人関係に入っていく勇気を持て、対人関係に入っていけば幸福になれる。大事なのは、ほめることではなく、相手が貢献感を持てる言葉をかけること。それも子どもが特別なことをしたときだけ言うのではなく、何でもないときに言うことが大切です」(哲学者 岸見一郎先生)

何でもないときに「ありがとう」を伝えること

幸せになりたいなら、同じことを、恋愛関係においてもすればいいということ。そうして相手が“ありのままの自分”でいられるような恋愛ができたら、「本命彼女になれない」といったことはなくなるかもしれません。

「だから何でも『ありがとう』と言ったらいいのです。『今日を一緒に過ごせたことにありがとう』、『今日も一日楽しかった、ありがとう』と。きっと彼は、自分は生きているだけで貢献している、特別でなくても愛される、と思えるようになるでしょう。そしてそうなった二人の関係は、簡単には崩れません」(哲学者 岸見一郎先生)

岸見一郎 哲学者

1956年生まれ。京都府出身。京都大学大学院博士課程満期退学。専門の哲学と並行して、1989年からアドラー心理学の研究を始める。2013年に『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)を刊行すると一躍話題に。完結篇『幸せになる勇気』とあわせた“勇気”シリーズは、現在230万部のベストセラーとなっている。他に、初の恋愛論を綴った『愛とためらいの哲学』(PHP新書)など。

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HOLICS編集部

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