わたしの偏愛ストーリー

毎号完売!『デザインのひきだし』編集長の紙&印刷への過剰な愛

SPECIAL 2018.4.20

突然ですが、雑誌『デザインのひきだし』をご存知ですか? 年3回発行、販売部数は現在1万2千部、紙やデザインを掘りさげたその内容が偏愛すぎて、現在は発売日に即完売(!)という、人気急上昇中の雑誌です。そして、それをほぼひとり(!!)で作り続けてきた、編集長の津田淳子さん。HOLICSとしては紙&印刷HOLICな津田さんにお話を聞かないわけにはいかない! ということで、彼女が作る『デザインのひきだし』のキテレツな魅力を徹底解剖、そして彼女自身が偏愛するアイテムについて、根ほり葉ほり聞きました。

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知る人ぞ知る雑誌『デザインのひきだし』。12年前に創刊され、2月、6月、10月の年3回発行される雑誌です。印刷や紙などについての情報が満載で、表紙を含めてその斬新な内容は驚異的! 毎号刷られる1万2000部はここ最近は発売日に完売、Amazonの総合ランキングで1位を獲得したり、「ほぼ日」主催の「生活のたのしみ展」では、『デザインのひきだし 30号』の付録『特殊印刷サンプルBOOK』の余剰分を売ったところあっという間に完売したりと、とにかく人気はうなぎのぼり。

29号は、なんと和紙で作られた和紙特集!

そんな『デザインのひきだし』の編集長を創刊から務める津田淳子さんは、心に留まったものはとことん調べ、集めないと気が済まない人。ご自身の大好きな「紙」と「印刷」に対する偏愛ぶりをたっぷりと聞きました。

世間を仰天させる雑誌『デザインのひきだし』を編集して早12年

おなじみ卵パックの素材で作られた33号

ーーたとえば、今年2月に発行された最新刊『デザインのひきだし』33号では、「箱・袋・シール・包装紙・紙タグなど 梱包・包装に使う紙モノ・刷りもの大特集」にちなみ、表紙が立体的な箱でできています。こんな表紙の本があるなんて、びっくりです!

この箱は、卵パックやりんごの下に入っている緩衝材などに使われる「パルプモールド」と呼ばれるもので、金型を使って紙を成型しているんです。だから時間もかかるし、本来は、卵パックのように年間何億個も作るような巨大なロットがないと、作っていただくのが難しい。最初にパルプモールドの会社に打診をしたのが6、7年前でしたが、今回は『栗原資材』さんがすごく協力的だったおかげで、なんとか形にできました。

雑誌というよりおもちゃ箱!?

——なぜパルプモールドを表紙に使おうと思ったのですか?

パルプモールドって、紙の原料を成型するときの金型に網が貼られているので、出来上がったものの表面に網目がつくんですよ。製法上、細かいエンボス(文字や絵柄などを浮き上がらせる加工)が入れられるわけではないんですが、その自然な立体感がすごく好きで。海外に行くと、現地で売られているパルプモールドのパックが欲しいがためにイチゴを買って、とにかくイチゴだけ食べ尽くしてパックを持ち帰ってきたりするぐらい(笑)、パルプモールドがもともと好きなんです。

一個ずつ表情が違う

ちなみにこの紙、ダンボールの古紙とオフィス古紙が半分ずつ入っているので、コピーの時に付いたトナーとかがそのまま塵となって混ざっているんですよ。だからブツブツしていて、一個ずつ表情が違うんですよね。そういうの、「かわいいな」と思います。

——あと、「現代・印刷美術大全」が特集された、27号の表紙もすごい! 刺繍が施されているんですね。

27号の表紙は「刺繍」!

そう、これもすごく大変で。この刺繍、1冊につき40分かかるんですよ。それを1万部ですから、縫うだけで1ヵ月ぐらいかかりました。

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HOLICS編集部

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