ヘアメイク松田未来の「女を磨く美学」

女って楽しい♡vol.35 小さな気遣いの連続が心地よい時間を生む

SPECIAL HOLICS編集部 2019.3.23

ヘアメイク松田未来(まつだ・みらい)さんが、日々の暮らしの中で感じる“女磨きの美学”をテーマごとにお届け。女性の“美”に触れる機会の多い未来さんが日常的に取り入れているこだわりは、どれも“自分を大切にする”ことばかり。自身を慈しむ行為は、小さな自信を生み、女性を美しくする作用があるのです。今回のテーマは「小さな気遣いの連続が心地よい時間を生む」です。「今よりもちょっぴり自分のことを好きになれるかも......」そんなワクワクが女磨きへの原動力になるはず♡

vol.35 「小さな気遣いの連続が心地よい時間を生む」

会ったあと、心地よい余韻が残る人は気遣い(*1)に心がある。

“気を使う”と“気遣い”はまったくの別物。

相手の気持ちを想像するには、心にも時間にもゆとりが必要だ。

もし心に余裕がなかったら、相手の痛みなんて分かるはずもないし、もし時間に追われていたら、丁寧に相手のことを見ることも、逆に見てもらえていることにも気が付かないだろう。

そんな状態だと、むしろ相手に“気”を使わせてしまう。

気遣いは相手が心地よく過ごせるよう、冷えた心を温めるような手段のひとつ。

決して押し付けるものでもないし、気遣いが目的になってしまっては、相手の居心地が悪くなる。見返りを求めてしまうと空回りもしてしまう。

相手の気遣いに気付き感謝することで、想像力が豊かになり、またひとつ賢くなれる。

vol.30のMirai's check pointで紹介した、西洋文字の先生とあるレストランを訪れたときのこと。

“紙”にまつわる仕事もされている先生は、いわば“紙のプロ”。店で使われていた紙のランチョンマットをとても気に入られて、「このランチョンマット素敵。いただいて帰ろうかしら」「勝手に持って帰ったら不審なので、お店の方にひと声かけてくださいね(笑)」なんて言いながら、食事とワインを楽しんだ。

帰り際、先生は小さな声で「とても素敵なお店ね。ランチョンマットは次回にするわ。またここへ来る口実にもなるしね」と笑いながら外に出た。

すると、見送りをしてくれたお店の方が、先生のスーツケースを見て「お仕事ですか?」と声をかけた。

「そうなんです。先生は“紙”の仕事をされていて」と、私が答えると、「うちの“紙”どうでしたか?」と聞いた。

「すごく素敵でした。『持って帰りたいくらい!』と話していたんですよ」と答えると、「もしよろしければ、お持ち帰りください! まだ店名を刻印していないものです」と、先ほどの紙でできたランチョンマットを差し出してくれたのだ。

その日の店内は満席。ものすごく賑わっていたにも関わらず、そっと私たちの会話にアンテナをはって「何かしてあげたい」と思っていなければ、あのタイミングで「うちの“紙”どうでしたか?」なんて言葉は、なかなか出てこないだろう。

今回のように相手のことを想う言葉をかけたり、話を聞く時の姿勢や目線だったり、そこに流れる空気感だったり、ひと口に“気遣い”と言ってもその内容はさまざま。

けれど共通するのは、心地よい余韻が残るということ。

会うといつも楽しい。別れたあとも、あたたかい余韻が心に残る。もしそう思うのなら、その相手はあなたにとってちょうどいい気遣いをしてくれたのだろう。

初対面や付き合いの短い間柄だから気遣いが必要なわけでもない。親しい間柄にこそあるべきだと思う。

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