ボーダレスな女たち

世界に届け、日本の絵本!勝恵美さんのMOGU絵本プロジェクト

SPECIAL HOLICS編集部 2019.4.9

「海外」と「お金」をテーマに、海外へ飛び出しチャンスをつかんできた先輩たちに、30代女子を代表して斉藤アリスが質問する連載。第7回目は、ベトナムの子供たちに日本の絵本を広める活動を行っている「MOGU絵本プロジェクト」の仕掛け人でMOREプロダクション代表の勝恵美さん。今世界から注目を集める勝さんが海外に渡ったきっかけや活動、これからについてお話を伺いました。

「自分の働きやすい環境は日本だけじゃない。ベトナムでキャリアを積んだからこそ巡ってきたチャンスがたくさんありました」と話す、勝恵美さん。

勝恵美さんと斉藤アリス(勝さんオフィスにて)

2018年10月、皇后美智子さまのベトナム訪問をきっかけに「MOGU絵本プロジェクト」は大きく動き出した。勝さんは26歳で単身ベトナムへ渡り、36歳までの10年間、ベトナムでフリーペーパーのハノイ編集部マネージャーとしてキャリアを積み、その後ハノイで独立、起業。次々と夢を形にしてゆく勝さん、一体どんな半生を歩んでこられたのでしょうか?

25歳で脱サラ。専門学校に通い直す。

大学卒業後は2年間、テレビCMの制作会社に勤めていました。マスコミ業界に憧れてテレビCMの制作会社に入ったんですけど、ちょっと自分が思っている好きなこととは違っていて。24歳のとき退職。写真の専門学校に入り直しました。

—どんな風に違っていたんですか?
広告はあくまでも自分の作品ではなく、クライアントさんが求めているものに応える仕事。若かったのもあって「こういうものが作りたい!」という思いが強すぎたんですかね。すごく心の葛藤がありました。

—好きゆえに、悩みもあったんですね。
「本当に自分の好きなことってなんだろう」って考えたときに写真で表現することが、自分が一番好きで周りからも評価されてきたことだと思ったんです。そして作品制作の舞台として選んだ場所がベトナムでした。

大学生の勝さん(左)

—どうしてベトナムだったんですか?
大学時代からよく旅をしていたんですが、唯一思い通りの旅ができなかった国がベトナムでした。

—思い通りの旅ができなかったとは?
当時は今みたいに経済発展していなかったので、空港も小さくてオンボロ。空港に着いた途端、知らないタクシーに乗せられたり、銀行の両替が適当だったり。カメラは盗られるし病気になるしで、とにかくハプニングの連続でした。

—うわ! それは記憶に刻まれますね。
旅が終わったとき何を感じたかというと、敗北感。“ベトナムの生きるパワー”に圧倒されて、この国に負けた気がしたんです。それが自分の中にインパクトを残し、再来を決めました。

旅行中の勝さん(当時大学生)

—どれくらいお金を貯めてベトナムに向かったんですか?
いや、全然なかったですよ。50万円くらいかな? 写真の専門学校に通うために会社勤めで貯めたお金は使い果たしたので、ベトナムに行くまでの半年間、アルバイトでひたすら貯めました。昼は派遣、夜は居酒屋。やる気になればできるものです。

—その後、ベトナムにはどれくらい滞在したんですか?
最初は半年のつもりでベトナム語を勉強しながら、現地の人たちの生活や風景を撮っていました。それがなんやかんや居続けて、今年で16年になったって感じです(笑)。

ハノイの日常1(勝さん撮影)

貯金が底をついた!アルバイトから責任者へ

—どうやって編集の仕事に携わるようになったんですか?
ハノイに来て半年間は貯金を切り崩して生活していたんですが、いよいよお金がなくなってきてネットで見つけた旅行会社でアルバイトをはじめたのがきっかけです。

—アルバイトはどんな仕事内容でしたか?
空港で旅行客を出迎えるときに名前入りのバナーあるでしょ? それを作ったり、チケットやツアー工程のチェックをしていました。

冊子『Vietnam SKETCH (ベトナムスケッチ)』

—フリーペーパーを担当するきっかけは?
その旅行会社が『ベトナム・スケッチ』という現地に住む日本人向けのフリーペーパーをつくっていたんです。私が写真の勉強していたことを知っていた編集長に声をかけてもらい、写真も雑誌も旅行も大好きだったので、「やります!」と二つ返事で受けました。

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