写真家・花盛友里が会ってみた。

インターン経験が面白い!会社員・草野晴菜さんが学生時代に得た学び

SPECIAL 2018.10.19

今、20代前半の女の子が面白いーー。固定観念にとらわれることなく、とても柔軟に「好き」を仕事にする彼女たちの素顔に迫る人気連載。撮影兼インタビュアーを務めるのは、人気写真家・花盛友里さん。今回ご登場いただいたのは、不動産会社で働く会社員の草野晴菜さん。花盛さんとはもともと知り合いで、「学生時代にこんなにいろいろやっている人は見たことない」と言わせるほど、経験が豊かな女性。終始笑顔を絶やさず、学生時代を振り返りながら、今後の目標を語る草野さんの姿を、花盛さんが撮り下ろしました。

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「インターン経験が教えてくれたこと。それは自分の発言に自信を持つためには、体験がすべてだということ」

まだ社会人一年目――。
取材の日にスーツ姿で現場に来た草野晴菜(くさの・はるな)さんは23歳。総合デベロッパーで投資系の不動産を扱う仕事をしています。

「いわゆる普通の旅行はしたことがない」と話す草野さん。高校時代、先生の勧めで海外に行ったことをきっかけに、その後ベトナムで映画を撮ったり、インドでインターンをしたり、パラグアイの日本料理屋で働いたり、さまざまな経験をすることとなります。

何事に対しても学ぶことにまっすぐで、今後の活躍が楽しみだと花盛さんも期待する、草野さんのこれまでの経験と今に迫ります。

花盛 久しぶりだね。晴菜ちゃんの学生時代の話をもっと詳しく聞きたくて。いろいろな経験したみたいだけど、そのきっかけはなんだったの?

草野 最初のきっかけは、高校3年生の夏休みに外務省の“JENESYSプログラム”というものに参加して、ミャンマーに行ったことでした。アジア圏の若者同士を交流させようという趣旨のプロジェクトなのですが、当時通っていた高校の先生に勧められて応募したんです。先生は青年海外協力隊としても活動したことがある人で、よく海外の話をしてくれました。

花盛 その先生がノミネートするくらいだから、海外に興味がありそうに見えたのかな?

草野 祖父母がによく海外に行くような家庭で育ったので、その影響もあったのかもしれません。小学校の頃、祖父から「一緒に海外に行こう」と言われたときに怖くて行けなかったんです。高校生になっても、「あのときどうして行かなかったんだろう」とずっと後悔がありました。なので“JENESYSプログラム”の話をもらったときに、外務省主催だから安全に行けるということで、すぐに決断しました。

花盛 そうだったんだ。今や海外経験の豊富な晴菜ちゃんが、小学生の頃は海外が怖いと感じていたなんて信じられない! 初めての海外はどうだった?

草野 飛行機に乗って降りたはいいけど、結局ここは日本の延長線上であって、ミャンマーに来たという感じが正直しなかったんです。それまで、自分の中で海外に対してすごくハードルを上げていたんだなと。海外に行くってもっと気楽に考えていいんだとわかったことが、一番大きな気づきでした。

それと同時に、もっときちんと自分のことを考えないといけないということも感じました。現地では僧院学校に通う同世代の学生と交流したのですが、僧院学校は無料で通うことができるけど、経済的に公立学校に行くことが難しい人たちの学校でもあって、働きながら学んでいる人がたくさんいたんです。その姿を見て、「私はなんとなくここまで来たけどそれでいいのかな」と疑問を感じて、「人生をきちんと考えよう!」と思いました。それまで、自分の人生やこれから就く仕事についてふわっとしか考えていなかったけど、海外の同世代の人たちが「私はこれになるんだ!」という明確な目標を持っていることに衝撃を受けたんです。

花盛 それまで保守的だった晴菜ちゃんに、大きな変化があったんだね。ミャンマーから帰って来てから、他にもどこかに行った?

草野 はい、高校の卒業式が終わってすぐ、スタディーツアーでベトナムに行きました。ベトナムの中部に日本と関わりの深いホイアンという街があるのですが、その街をどうにPRすれば良いか、という議題をチームで取り組むプロジェクトがあり、それに参加してホイアン中を駆け回りました(笑)。

花盛 どうPRするか考えるって、広告代理店の仕事みたい。それをお金を払ってやるってすごい。普通に旅行したことってあるの?

草野 いわゆる普通の旅行はほとんど行ったことがないです。ベトナムに行ったときも、最終的には映画を作ることになったり。はじめはPRの方法を考えていたのですが、ホイアンでお店をやってる日本人の方がいて、「ちりめんのランタンを作りましょう!」と提案したら、その話を聞いた大学生が「面白いから映画にしたい」と連絡をくれて。彼とはそのスタディーツアーで知り合ったのですが、大学1年生の春休みにまたベトナムに行き、3週間くらいかけて短編映画を撮りました。私はヒロイン役だったんですけど、4人の登場人物がそれぞれ人生にくすぶっていて、ベトナムに行き、いろいろなことにぶつかりながらやりたいことを見つける、といったストーリーでした。

花盛 へー、面白い。 女優もしたんだ! そういえば、インドにも行ってなかった?

草野 はい、インドはインターンとして行きました。ベトナムから帰って来てから、海外で働きたい若者をインターンとして送り出すベンチャー企業でインターンをしていたんですが、ずっと受け入れをしてくださっている企業がインドにあり、私も大学を休学して行くことにしたんです。

花盛 向こうでどんな仕事をしていたの? 仕事は英語でだよね?

草野 現地に駐在している方に向けた、フリーペーパーの営業です。もちろん英語です。最初はスクリプト(台本)があったので、それをそのまま読んでいたのですが、慣れて来たら徐々に話せるようになって……という感じで。

花盛 いきなりやって営業なんてできるものなの!?

草野 全部飛び込みで行って、とにかく数を稼ぐしかなくて。オフィスはデリーとバンガロールにしかなかったのですが、雑誌はムンバイとチェンナイでも出していたので、出張して飛び込み営業したり。ホテルも会社がAirbnbでとってくれていたのですが、泊まった場所の中にはシャワーが出なかったり、ネズミがバケツの中で死んでいたりとか、結構ハードな場所もありました。

社長には叱られてばかりでしたが、「何か失敗しても責任は取るから」と背中を押してくれるような人だったので、辛かったけれど何とか頑張れた感じですね。そして少しずつ営業先の担当者と仲良くなったりして、仕事の楽しさや喜びを感じました。

花盛 それってインターンだけど、社会人と同じことをしているよね。むしろ、社会人以上かも。サラリーマンってやってもやらなくても一応固定給がもらえるから、中には「頑張らなくてもいいや」って気持ちになる人もいると思うんだけど、晴菜ちゃんはお金ではなく、達成感とかで喜びを得ているわけで。それって本当にすごいことだと思う。

草野 ありがとうございます。結局インドには半年いる予定だったのですが、他に行ってみたい場所ができて3ヶ月で帰国したんです。学校はもともと1年休学して、半年を海外で過ごす予定でいたので、残りの3ヶ月を使って今度はパラグアイに行きました。知り合いがNPOとしてパラグアイで活動していて、その話を聞くうちに行ってみたくなって。インターネットで調べまくって、ようやく一軒の日本料理屋さんでの募集にたどりつき、そこで働くことになりました。

花盛 行動力がすごいなぁ。

草野 私自身がインドでインターンをしたときに感じたことは、自分が経験していないことを自信を持って語ることはできないなということでした。インターネットで見たものを、「〜らしいですよ」って話すことはできたとしても、その発言に自信が持てるわけではない。それがすごく嫌だなって。帰国してからまた海外へインターンを送り出す業務を再開する予定だったので、自分が行って経験したことを語り、送り出す人を増やして行きたいなと思ったんです。

花盛 確かに経験していない人の言葉には説得力がないよね。パラグアイではどんな風にして過ごしていたの?

草野 日本料理屋でお手伝いをしながら、青年海外協力隊として来ている人たちと交流していました。青年海外協力隊にはスポーツ隊員という人たちもいて、現地でスポーツを教えるんです。私も昔バドミントンをやっていたので、バドミントンを教えに来ている人たちに「私もやりたいです!」と言って、一緒にやらせてもらったり。

花盛 日本料理屋さんで働いていたのに、そうして人脈を広げられるのがすごい。留学やワーホリで海外に行っても、語学も学ばず、日本にいるときと変わらない生活をしている人って多いけど、晴菜ちゃんみたいに、ただ行っただけにならないようにするためにはどうしたらいいのかな?

草野 現地で少なくとも1人、この国のことを知っているという人と繋がることがすごく大事だと思います。パラグアイは南米の中でも治安が良いと言われているんですが、それでもやはり1人で行動するのは怖いです。なので、まずはキーマンとなる人を見つけて、最初に会いに行きます。そうすると、その人を通していろんな人と繋がることができるんです。

花盛 キーマンを見つけるかぁ、なるほどね。それでパラグアイから帰国してからは?

草野 帰国してから、もともとインターンで働いていた会社に戻り、さらにもう1つ教育系の社会法人でインターンを始めたんですよ。日本の高校生に向けて、自分のキャリアを考える機会を作るという事業内容で、いろんなコンテンツを考えたりして。実際に高校に行って、2時間くらいでどんな風に伝えたら興味を持ってもらえるのか構想を練るという、イベントプロデュースのような仕事もさせていただきました。

花盛 まだ将来が見えていない高校生に、遊び感覚で将来を見つけられるようなきっかけを作るってことだよね?

草野 そうです。クイズ形式にしたり、座談会方式にしたり、みんなで頭を寄せ合って。高校としては、進学実績を作るために大学へ進学をしてほしいというのがあるんですけど、私たちの団体としては「大学至上主義って違うよね」と思っていたんです。

もちろん大学は学びの場なので、目的を持って行くとすごく良い時間を過ごせると思うんですが、なんとなく行くともったいない気がしていて。もちろん大学に行くことを否定しているのではなく、大学に行きましょうという講義をするのではなくて、学問って面白いよねということを感じてもらう講義を心がけてやっていました。

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