教えてアドラー♡恋のお悩み “セックスレス”を変える勇気

LOVE 2018.9.16

大ベストセラーとなった『嫌われる勇気』の著者・岸見一郎先生が、アドラー心理学をもとに恋愛論を綴った著書『愛とためらいの哲学』をもとに恋のお悩みに回答するシリーズ、今回は「セックスレス」について。誰もが知りたい、そのポイントがここに!

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Q 7年つきあっている彼とセックスレスなんです……。

出典: gettyimages

学生時代から7年もつきあっている彼。結婚するならこの人しかいないと思っていますが、どんどんセックスの回数が減っています。つきあいが長過ぎて、お互いそういう気持ちになれず……。先日旅行をしたときは「あるだろう」と思っていたのですが、そこでも彼はさっさと寝てしまったので、さすがに不安になりました。セックスレスのまま結婚して、私たちはうまくいくのでしょうか?(27歳・銀行)

アドラーの言葉:「愛と、結婚における協力の成就は、身体的に引きつけられること、交際、子どもを生む決心において表される異性のパートナーへのもっとも親密な献身である」

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セックスレス。それは、交際期間が長くなればなるほど避けられなくなってくる問題です。実際、HOLICS読者にもこの悩みを抱えている人は少なくありません。アドラーは「セックス」というものについてどのように説いているのでしょう?

「友人レベルでの対人関係をうまく築けている二人なら、その延長で恋愛関係になったとしてもうまくいくものです。そう捉えると、極端な話、友人関係を上手く築ける人は相手が誰であっても結婚できる、そう言っても間違いではありません。とはいえ、恋愛においては身体的相性、つまりセックスの問題は無視できないものです。たとえばあるとき異性と出会って、楽しく話をしていたとしても、人は頭の隅では『この人とセックスしたらどうかな?』ということを絶対に考えているもの。それは、相手への関心の有無でもあります。年をとるとセックスは若いときほど大事なものではなくなりますが、それでもセックスが“相手への関心の有無”であると考えると、何歳になろうとセックスを無視してはいけない、……というのがアドラーの考え方なのです」(哲学者 岸見一郎先生)

では年をとってお互いにセックスをしたいと思わなくなったとしても、セックスはしなければならない、ということなのでしょうか?

「そういうわけではなくて、セックスというものに対する見方を変える必要があります。これはアドラーが明言しているわけではないのですが、アドラー心理学の観点から解釈すると、セックスも広い意味での対人関係なのです。つまり、セックスは身体的接触に限らない、ということ。たとえば夫が帰宅して『おかえり』『ただいま』というやり取りを交わす。セックスはそこから始まっているのです」(哲学者 岸見一郎先生)

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「ただいま」「おかえり」を仮にAとすると、Bは性器の接触を含まないペッティング、Cは性器の接触も含むペッティング、そしてDが性器の挿入を含む狭い意味でのセックス。岸見先生は、このようにセックスの定義について解説してくれました。

「大事なことは、Aからすでにセックスは始まっている、ということです。でも多くの人は、Cからがセックスだと思っていますよね。いきなりCから始めるのであれば、それはもはや家庭内レイプです。AとかBとかめんどくさい、と思う人もいるかもしれませんが、それはセックスとして間違っている。Bにすらたどり着かなかったとしても、『今日は話ができてすごく楽しかった』というのも立派なセックスなのです。そしてそこが達成できていれば、二人の関係もセックスレスでは決してありません。反対にAをおろそかにしているカップルはうまくいかないでしょう。ですからAを大事にしない男のことは、あきらめたほうがいいかもしれませんね」(哲学者 岸見一郎先生)

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そして、きちんとAから始まりDまで進めば、それで終わりというわけではありません。今度はちゃんとAまで戻らなければいけない、と岸見先生は言います。

「つまるところ、セックスもコミュニケーションなのです。コミュニケーションがうまくいっていないのに、セックスだけがうまくいくということはあり得ない。セックスレスに悩むカップルは、きっと普段の会話もうまくいっていないはず。ですからセックスレスに悩んでいるなら、まずはAをきちんとおこなうことから取り組んでみてください」(哲学者 岸見一郎先生)

A セックスは「ただいま」「おかえり」から始まっている

セックスは一番親密なコミュニケーションであり、その人の人間性がもっとも出てくるものでもあるそう。ということは、日頃の言動から相手がどんなセックスをするかも見抜けるということ?

「ええ、見抜けますよ。たとえばデートで食事に行ったとして、彼はどんなふうに店を決めますか? 二人で話し合って決めるのか、彼が独断で決めるのか。そこから彼のセックスの在り方が見えてきます。また『どんなものを食べたいか』ということも聞いてみてください。ファストフードがいいと答える人は、そういうパパッと終わらせるセックスが好きなんです。一方フランス料理が好きという人は、前戯からきちんとしたいと思っているタイプ。どちらがよい悪いというわけではなくて、あくまでセックスの傾向が見える、という話です。もちろんセックスがなくても男女の恋愛関係は成立しますが、それでもセックスで幻滅してダメになってしまう関係もある。だからセックスは対人関係の築き方をハッキリ表すもの、と考えて重視したほうがいいでしょう」(哲学者 岸見一郎先生)

多くの人は、恋愛においてセックスだけを切り離して考えがち。でもセックスは対人関係の一部。彼とのセックスレスに悩んでいる人は、まずは「ただいま」「おかえり」をきちんと言うことを心がけてみましょう。

岸見一郎 哲学者

1956年生まれ。京都府出身。日本アドラー心理学会認定カウンセラー顧問。京都大学大学院博士課程満期退学。専門の哲学と並行して、1989年からアドラー心理学の研究を始める。2013年に『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)を刊行すると一躍話題に。続編『幸せになる勇気』とあわせた“勇気”シリーズは、現在200万部を超えるベストセラーとなっている。他に、初の恋愛論を綴った『愛とためらいの哲学』(PHP新書)など。

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