教えてアドラー♡恋のお悩み “私の気持ちが冷める”を変える勇気

LOVE 2018.9.23

アドラー心理学研究の第一人者で、大ベストセラーとなった『嫌われる勇気』の著者でもある哲学者・岸見一郎先生が恋愛論をまとめた著書『愛とためらいの哲学』をもとに、恋のお悩みに回答するシリーズ。今回は「冷めない愛などあるのでしょうか」というお悩み。岸見先生は一体どんなアドバイスをくれるのでしょうか!?

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Q.ずっと愛し続ける自信がありません。

出典: gettyimages

学生時代から10年近く付き合ってきた彼と別れました。私がすっかり冷めてしまって、フェイドアウトしたのが原因です。あんなに好きで結婚したいと思っていたのに、長くなればなるほど粗が目につくようになり、最後は彼のやることなすことにイライラしてしまって。このことがあってから、「誰と結婚しても最後は嫌いになりそう」と思うように。脳科学的にも、“好きという気持ちは3年しかもたない”、という説がありますが、実際、職場の結婚している同僚たちも皆「もう好きとかない」と言います。先生、冷めない愛などあるのでしょうか?(30歳・IT)

アドラーの言葉:「愛することは決心することである」

出典: gettyimages

「愛することは決心することである」。これは、アドラー心理学のキーワードとなる言葉でもあります。恋愛は、愛されることではなく愛することが大事なのだ、とアドラーは説いているのです。

「そこで多くの人は、恋愛は“誰を愛するか”という対象の問題だと考えます。でもそうではなく、愛し方の問題なのです。いかに愛するかという“愛し方の技術”の問題。つまり相手が誰であっても、愛する方法を知っていなければならないのです」(哲学者 岸見一郎先生)

ここで岸見先生は、愛し方の例として、よくパートナー間で出てくる一つの会話を挙げてくれました。それは「アナタのことは好きだけど、あの人のことは好きじゃない」というもの。相手のことは好きだと言っているのだから、何の問題もないように思えますが……?

「実はこれを言われても、相手は少しも愛されている気がしないのです。なぜなら、“あの人のことは嫌い”というのが、明日は我が身かもしれないから。本当は人は、誰をも愛せるはずなんです。その中でもとりわけアナタを愛する、それが愛する決心なのです。結婚はハッピービギニングではないかもしれない。これからいろいろな苦難が待ち受けているかもしれない。でもこの人を愛する、という決心をしなければいけないのです」(哲学者 岸見一郎先生)

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たとえば相手が仕事をクビになって収入がなくなったとき、病気で体が動かなくなったとき、それでも「この人を愛そう」という決心が必要なのだ、と岸見先生は言います。

「『どんなアナタでも愛する』と言ってくれたら、夫も嬉しいですよね。でも相手の条件で結婚を決めた人は、相手が失業したり病気になったりしたとき、愛し続けるのが難しい。口先だけで言う人は多いのです。私がカウンセリングをしていた夫婦にも、妻から『アナタの人生だからアナタが決めていいのよ』と言われ、夫は会社を辞めてサーフィンショップを開くことにしたんです。でも『会社を辞めた』と報告したら、妻は『え?』と。それでもうダメでした。妻は夫のことを愛していたのではなく、夫の属性を愛していたのです」(哲学者 岸見一郎先生)

とはいえ、属性もその人の一部では? と思ってしまうのですが……。

「それはありのままの自分ではないのです。すべてを失っても尚残るものが、“私”なんです。病気になった自分をイメージするとわかります。じっとベッドに寝ていなければならない、働くこともできず人の世話になるしかないとき、人は『果たして自分は生きている価値があるのか』と思うことでしょう。でもよく考えたら、自分の家族や親しい人が病気で入院したと聞いたとき、どんなに重体でも生きてくれていたら喜びに思いますよね? それを自分にも当てはめて考えてみてください。自分がこうして生きていることを喜んでくれている人はきっといるし、生きていることで貢献できている、と。そう思えたら、きっと『自分に価値がある』と思えるはず。大切なのは属性ではないのです。とくに若い人にはそのことを知ってほしいと思います」(哲学者 岸見一郎先生)

A 相手自身を見る“愛する技術”を身につけること

「自分は生きているだけで価値がある」と思うように、恋愛においても、相手のことも同じような目で見ることができているか? それをチェックしてほしい、と岸見先生は言います。

「相手の外回りのことではなくて、相手自身を見られるようになったら、誰のことも愛することができます。それが“愛する技術”なのです。そしてその技術を身につけたならば、きっと『相手を愛し続ける』という決心もできることでしょう」(哲学者 岸見一郎先生)

岸見一郎 哲学者

1956年生まれ。京都府出身。京都大学大学院博士課程満期退学。専門の哲学と並行して、1989年からアドラー心理学の研究を始める。2013年に『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)を刊行すると一躍話題に。完結篇『幸せになる勇気』とあわせた“勇気”シリーズは、現在230万部のベストセラーとなっている。他に、初の恋愛論を綴った『愛とためらいの哲学』(PHP新書)など。

『愛とためらいの哲学』929円 PHP新書 

イラスト/岡山里香

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HOLICS編集部

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